大鷹、雲鷹、神鷹、海鷹、冲鷹の特徴

大鷹

開戦前に建造中だった未成商船である春日丸は海軍に買収され、空母に改造された。これが大鷹である。鷹型と呼ばれる5隻の小型空母の代表艦で、他の4隻はすでに商船として完成したのを改造している。

大鷹は、基準排水量17,830トン、速力21kn、搭載機は27機で格納庫は1層のみの劣性能の簡易空母である。大鷹の前身である春日丸と同型艦の八幡丸と新田丸は改造されて、それぞれ雲鷹と冲鷹と命名され、基準排水量14,500トン、速力21.4kn、搭載機数30機の空母となった。次いで改造されたのは、大阪商船の南米航路を走っていたあるぜんちな丸で、基準排水量13,600トン、速力23kn、搭載機数24機の海鷹に生まれ変わった。もう1隻は、ドイツ客船シャルンホルストで、日本に寄港していたときに第二次世界大戦が始まり、ドイツへ帰ることができないため日本海軍がドイツから譲り受けて空母に改造したのである。神鷹と名付けられた艦は、基準排水量17,500トン、速力21.4kn、搭載機数24機の空母となった。

この5隻の鷹型空母は、積み荷がないので吃水が上がり、バランスが悪かったので、バラストの代わりに大量の燃料を搭載した。したがって、小さな艦の割りに燃料を多く持っていたので全速で航行でき、かえって有利だと思われたが、次第に近代戦に参加することができなくなり、輸送船団の護衛空母として出撃することが多くなった。

大鷹、雲鷹、神鷹、海鷹、冲鷹の改装

大鷹、雲鷹、神鷹、海鷹、冲鷹の大きな改装はない。

大鷹、雲鷹、神鷹、海鷹、冲鷹のスペック

諸元大鷹雲鷹冲鷹神鷹海鷹
基準排水量(英トン)17,83017,83017,83017,50013,600
公試排水量(メートルトン)20,00020,00020,00020,90016,700
水線長(m)173.70173.70173.70189.36159.99
最大幅(m)22.522.522.525.621.9
飛行甲板(長さ×幅、m)162.0×23.5162.0×23.5172.0×23.7180.0×24.5160.0×23.0
出力(馬力)25,20025,20025,20026,00052,000
速力(kn)21.021.021.021.023.0
航続距離(kn-海浬)18-8,50018-8,50018-8,50018-8,00018-7,000
備砲12cm単高×6、25mm連×412cm単高×6、25mm3連×1012.7cm連高×2、25mm3連×1012.7cm連高×2、25mm3連×1012.7cm連高×4、25mm3連×8
搭載機数23+423+423+427+624
昇降機数22222
沈没19.8.18/ルソン島西方/潜水艦19.9.17/シンガポールからの帰途/潜水艦18.12.4/八丈島沖/潜水艦19.11.17/済州島西方/潜水艦21.9.1~23.1.31/解体処分

このページの先頭へ