香取型の特徴

香取

日本海軍では長い間旧式の装甲巡洋艦を練習航海に使用してきたが、艦の老朽化と装備の旧式化で優秀な士官候補生を育てるにはいささか不十分であった。そこで、昭和11年の第三次補充計画と翌年の第四次補充計画で練習巡洋艦を建造することが決定した。それが香取型の3隻である。

香取型への要求性能は、基準排水量5,890トン、公試排水量6,300トン、130m、最大幅15.95m、出力8,000馬力、速力18knであった。練習巡洋艦なので兵装は一通り揃っている。主砲は14cm連装砲2基4門、高角砲は12.7cm連装砲1基2門、魚雷兵装は53cm連装発射管2基4門、カタパルト1基、水偵1基という装備である。

船首楼から続く上甲板は煙突手前まで伸びていて高い乾舷を形成しているため、凌波性、耐波性に優れた艦形となっている。練習巡洋艦であることから、ほとんど防御らしきものはなく大きさの割りには軽く仕上がっている。ただし、艦内の容積は十分すぎるくらいあり、居住性には優れていたため、後に潜水戦隊の旗艦へ転用された。

香取型の改装

香取は昭和15年4月、鹿島は昭和16年5月、香椎は昭和16年12月に竣工したため、本来任務(練習巡洋艦)からはずれて香取は潜水戦隊の旗艦として、鹿島は南遣艦隊の旗艦として、香椎はマレー方面攻略作戦に護衛艦として参加している。香椎と鹿島は大戦後期に対潜部隊の旗艦として改装された。両舷にあった魚雷発射管を撤去し、12.7cm連装砲2基4門を搭載し、司令部の居住区としていた場所を改装して爆雷庫とした。

香取型のスペック

諸元香取鹿島香椎
竣工時竣工時最終大改装竣工時最終大改装
基準排水量
英トン
5,8905,8905,890
公試排水量
メートルトン
6,3006,3006,300
水線長m130.0130.0130.0
最大幅m15.9515.9515.95
馬力8,0008,0008,000
速力kn18.018.018.0
備砲主砲14×414×414×4
高角砲12.7×212.7×212.7×612.7×212.7×6
発射管44-4-
航空機
カタパルト
水偵×1
カタパルト×1
水偵×1
カタパルト×1
水偵×1
カタパルト×1
水偵×1
カタパルト×1
水偵×1
カタパルト×1
沈没19.2.17
トラック島沖
航空機
20.10.5 除籍(後解体処分)20.1.12 キノン湾沖 航空機

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