その他の一等駆逐艦の特徴

大正時代に建造された峯風型、神風型、睦月型と特型駆逐艦に引き続いて建造された初春型、白露型、朝潮型の一等駆逐艦を解説する。

峯風型、神風型、睦月型の特徴

峯風

峯風型より前の型はイギリス駆逐艦を参考に設計されてきたが、峯風型は純国産とも言うべき艦型で、同時代の米英駆逐艦より強力な武装を施されていた。米英の駆逐艦は4インチ(10.2cm)砲だが峯風型は12cm砲を装備し、53cm連装魚雷発射管3基8門を搭載して、なおかつ予備魚雷を2本持っていた。しかし、波のある洋上では人力による装填は不可能に近かった。

神風

続いて登場した神風型は、峯風型より吃水と幅がわずかに増しただけで峯風型と大差なかった。魚雷発射管が6年式から動力旋回のできる10年式となっている。

睦月

三番目の睦月型は、雷装が53cmから61cmにスケールアップし、発射管も連装3基から3連装2基へ変更されている。予備魚雷も6本となったので全管2斉射ができるようになったが、次発装填装置が未開発のためこれも人力による装填は不可能に近かっただろう。

初春型、白露型、朝潮型の特徴

初春

ロンドン条約で補助艦艇である駆逐艦にも制限が加えられた。対米英比率7割(合計排水量10万5,500トン)を押しつけられ、しかも1500トン以上の大型駆逐艦は合計排水量の16%以内という制限もあった。特型駆逐艦(1,500トン以上ある)を建造した日本海軍は次に建造する駆逐艦の排水量を1,400トン以内にしなければならない。しかも、特型に劣ってはいけないのだ。こうして無理な要求のもと建造されたのが初春型である。初春型は当初12隻計画されたが、建造中に「友鶴事件」が起き、全艦艇に復原性の見直しが掛かったため、初春型の欠陥が見いだされた結果、6隻で打ち切りとなった。

春雨

慌てて初春に施した復原性を高める措置を最初から取り入れたのが改初春型とも言える白露型である。この時点でロンドン条約を破棄しようと決めていたので、1,400トン以内という制限を気にせず、結局285トンほどオーバーした排水量で設計され、建造に取りかかった。駆逐艦として白露型で初めて採用になったのが4連装魚雷発射管である。この発射管はすでに重巡那智、古鷹の改装の際に搭載されていて、次発装填装置が付属して戦闘中でも2日目の魚雷攻撃ができるようになった。

朝潮

朝潮型は改白露型として建造されようとしていたが、直前に第四艦隊事件が起こり、船体強度不足の艦艇が多いことが判明した。当然新型駆逐艦も設計が見直され、白露型を少し大きくした朝潮型が誕生した。朝潮型が初春型、白露型と違うところは、2番、3番砲塔のレイアウトである。前の2型は2番、3番砲塔を同じ上甲板上に並べたが、朝潮型は上甲板後部の上にシェルターデッキを作りその上に2番砲塔を設置した。

その他の一等駆逐艦の同型艦

ネームシップ同型艦
峯風峯風、沢風、沖風、島風、灘風、矢風、羽風、汐風、秋風、夕風、太刀風、帆風、野風、波風、沼風
神風神風、朝風、春風、松風、旗風、追風、疾風、朝凪、夕凪
睦月睦月、如月、彌生、卯月、皐月、水無月、文月、長月、菊月、三日月、望月、夕月
初春初春、子日、若葉、初霜、有明、夕暮
白露白露、時雨、村雨、夕立、春雨、五月雨、海風、山風、江風、涼風
朝潮朝潮、大潮、満潮、荒潮、朝雲、山雲、夏雲、峯雲、霞、霰

その他の一等駆逐艦のスペック

諸元峯風型神風型睦月型初春型白露型朝潮型
基準排水量
(英トン)
1,2151,2701,3151,4001,6851,961
公試排水量
(メートルトン)
1,3451,4001,4451,6801,9802,370
水線長(m)99.5399.67100.20105.50107.50115.0
最大幅(m)8.929.169.1610.009.9010.35
出力(馬力)38,50042,00050,000
速力(kn)39.037.2537.2536.534.035.0
備砲12cm×412cm×412.7cm連装×2
単装×1
12.7cm連装×3
発射管53cm連装×361cm3連装×261cm4連装×2

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