日本海軍の組織

作戦立案や指揮は天皇直属の軍令部が行った。海軍の軍政・人事に関しては内閣にある海軍省の海軍大臣によって行われ、その下に造船、造兵を掌握する艦政本部が置かれた。

海軍省

海軍省の部局は内局と外局とに分けられる。

海軍省内局
部局名仕事の内容
軍務局軍備・国防・服務・条約・礼式など海軍にかかわるあらゆる制度を掌握する。
兵備局1940年(昭和15年)11月15日発足。国家総動員・出師準備・動員・生産計画など戦争遂行の国家計画を掌握する。
軍需局1920年(大正9年)10月1日発足。機械工学・燃料調達・需品管理などを掌握する。
人事局1900年(明治33年)5月20日、大臣官房人事課を拡張。軍人軍属の人事管理、身分保障を掌握する。
教育局1923年(大正12年)4月1日、教育本部を縮小。海軍軍人の教育・国民への啓発活動を掌握する。
調度局・経理局予算決算の計画と執行、物品調達など金品の管理を掌握する。
医務局医療研究および衛生管理を掌握する。
主船局・艦政局外局の艦政本部を参照
建築局外局の施設本部を参照
法務局海軍軍人の綱紀保持、軍法会議の運営など法制度を掌握する。
海軍省外局
部局名仕事の内容
海軍将官会議
海軍技術会議
海軍艦政本部1900年(明治33年)5月20日発足。艦船・兵器の開発と生産計画を掌握する。
海軍航空本部1927年(昭和2年)4月5日発足。航空機・飛行技術の開発と生産・教育計画を掌握する。
海軍教育本部1923年(大正12年)4月1日解体、教育局に縮小。内局の「教育局」を参照。
水路部海図製作・海洋測量・海象気象天体観測を掌握する。
海軍高等軍法会議
海軍東京軍法会議
海軍大学校
海軍兵学校
海軍機関学校(1944年兵学校へ統合により廃止)
海軍経理学校
海軍軍医学校
潜水艦部
特攻部
電波本部1944年(昭和19年)4月20日、技術研究所を拡張。レーダー・無線兵器の研究開発を掌握する。
施設本部1941年(昭和16年)8月1日、建築部を拡張。海軍施設の設計および敵前強行設営術を掌握する。
化兵戦部
運輸本部1943年(昭和18年)6月25日、運輸部を拡張。陸上海上の一元輸送計画を掌握する。
緊急戦備促進部
船舶救難本部1944年(昭和19年)12月30日発足。沈没損傷船の補充・修理計画、船員救難を掌握する。
練習連合航空総隊

艦政本部の組織

艦船や兵器の開発・生産計画などを司っていた技術部局である。

大東亜戦争開戦時の艦政本部
部署名仕事の内容
第一部・砲熕部大砲に関する開発・生産計画立案
第二部・水雷部機雷・魚雷・爆雷に関する開発・生産計画立案
第三部・電気部無線、電探に関する開発・生産計画立案
第四部・造船部艦艇に関する開発・生産計画立案
第五部・造機部機関に関する開発・生産計画立案
第六部・航海部航海兵器や光学兵器に関する開発・生産計画立案
第七部・潜水艦部潜水艦に関する開発・生産計画立案

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