海大型の特徴

海大型

ドイツ・ゲルマニア社のオリジナル設計による機雷潜と巡潜の建造と並行して、初めての日本海軍設計の大型艦である海大1型、2型の建造された。両型とも試作艦各1隻の建造で、艦隊随伴用潜水艦の魁となった。1型、2型に引き続き実用型海大型といえる3型9隻が昭和2年~5年にかけて竣工した。3型は先に竣工した4隻と残りの5隻とは艦首部分など幾分船型が異なっている。(当サイトでは3型aと3型bと表記)ついで昭和4年~6年に完成した4型は、内殻船体断面の形状が従来の長円形から真円に改められたので、艦首発射管が6門から4門となった。次の5型では安全深度を60mから75mに向上させ、12cm平射砲を10cm高角砲に換装している。無条約時代に建造された6型は、艦本式一号甲8型ディーゼルの採用で、水上速力23knを発揮した最初の海大型である。この23knという速度に日本海軍はこだわった。というのも艦隊決戦における漸減作戦として艦隊型潜水艦の投入を重要視し、敵主力艦の捕捉、追躡するためには敵主力艦より2~3kn優速であることが必須条件であった。そのことからも6型は海大型が目指した艦隊型潜水艦といえる。最後の海大型は7型であるが、これは6型の改良型で艦尾の発射管を廃止し、そのかわり艦首発射管が4門だったのを6門に増やしている。

海大型の同型艦

艦型代表艦同型艦
1型伊51同型艦なし
2型伊152同型艦なし
3型a伊153伊154、155、158
3型b伊156伊157、159、60、63
4型伊61伊162、164
5型伊165伊166、67
6型a伊168伊169~172、73
6型b伊174伊175
7型伊176伊177~185

海大型のスペック

海大型1型、2型、3型a、3型b
諸元1型(伊51)2型(伊152)3型a(伊153)3型b(伊156)
水上排水量(t)基準1,3911,3901,6351,635
常備1,5001,5001,8001,800
水中排水量(t)2,4302,5002,3002,300
全長(m)91.44100.85100.58101.00
最大幅(m)8.817.647.987.90
出力(馬力)水上5,2006,0006,0006,000
水中2,0002,0001,8001,800
速力(kn)水上18.420.120.020.0
水中8.47.78.08.0
航続距離(kn-海浬)水上10-20,00010-10,00010-10,00010-10,000
水中4-1004-1003-903-90
安全深度(m)60606060
備砲12cm単×1、
7.6cm単×1
12cm単×1、
7.6cm単×1
12cm単×112cm単×1
発射管首6尾2首6尾2首6尾2首6尾2
その他兵装
海大型4型、5型、6型a、6型b、7型
諸元4型
(伊61)
5型
(伊165)
6型a
(伊168)
6型b
(伊174)
7型
(伊176)
水上排水量(t)基準1,6351,5751,4001,4201,630
常備1,7201,7051,7651,8101,833
水中排水量(t)2,3002,3302,4402,5642,602
全長(m)97.7097.70104.70105.00105.50
最大幅(m)7.88.208.208.208.25
出力(馬力)水上6,0006,0009,0009,0008,000
水中1,8001,8001,8001,8001,800
速力(kn)水上20.020.523.023.023.1
水中8.58.28.28.78.0
航続距離
(kn-海浬)
水上10-10,80010-10,00010-14,00010-10,00016-8,000
水中3-603-603-653-655-50
安全深度(m)6075758580
備砲12cm単×110cm単高×1、
12mm単×1
10cm単高×1、
12mm単×1
12cm単×1、
13mm連×2
12cm単×1、
25mm連×1
発射管首4尾2首4尾2首4尾2首4尾2首6

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