海中型の特徴

海中型

日本海軍における潜水艦は、当初、輸入から始まり次はライセンス生産へと移行してきた。そこで得た建造ノウハウをいよいよ日本独自の設計に活かすときが訪れ、日本海軍初の設計艦として海中型が建造された。しかし、海中1型、2型を5隻建造するのと並行してイギリス・ビッカース社のL型を神戸三菱造船所がライセンスを取得し建造を開始している。海中型が失敗したときのバックアップとして、海中型と同様の性能を発揮する確実なライセンス艦を選んだものと思われる。設計は日本海軍がしたとはいえ、全体の計画はフランス・シュナイダー社の設計を手本にしていて、主機のズルザー・ディーゼルは輸入品であった。しかし、初期の建造を除いて主機も国内ライセンス生産されるようになり、その他装備品も逐次国産品に換えられていった。細かな改装を行いながら4型まで建造し、その次に現れたのが特中型と呼ばれる艦で、備砲を4型まで7.6cm砲だったのを12cm砲に換え、水上戦闘力を増した艦を建造した。この型は通商破壊を目的に試験的に作られた要素が大きく、次の5型ではまた7.6cmへ戻っている。海中型系列の最後は中型と呼ばれる艦で、局地防衛、哨戒といった種々の任務をこなせる便利な艦に仕上がっていたようである。

海中型の同型艦

艦型代表艦同型艦
1型呂11呂12
2型呂13呂14、15
3型呂16呂17~25
4型呂26呂27、28
特中型呂29呂30~32
5型呂33呂34
中型呂35呂36~50、55、56

海中型のスペック

海中型1型、2型、3型、4型
諸元1型(呂11)2型(呂13)3型(呂16)4型(呂26)
水上排水量(t)基準720740740750
常備783762.6771.8805.3
水中排水量(t)1,0301,003.1996.8
全長(m)69.1970.1070.1074.22
最大幅(m)6.366.16.126.12
出力(馬力)水上2,6002,6002,6002,600
水中1,2001,2001,2001,200
速力(kn)水上18.216.516.516.0
水中9.18.58.58.5
航続距離(kn-海浬)水上10-4,00010-6,00010-6,00010-6,000
水中4-854-854-854-85
安全深度(m)30.545.745.750
備砲7.6cm単×17.6cm単×17.6cm単×17.6cm単×1
発射管首4水上2首4水上2首4水上2首4
その他兵装
特中型、海中5型、中型
諸元特中型(呂29)5型(呂33)中型(呂35)
水上排水量(t)基準665700960
常備852.39401,109
水中排水量(t)886.41,447
全長(m)74.2273.0080.5
最大幅(m)6.126.707.05
出力(馬力)水上1,2003,0004,200
水中1,2001,2001,200
速力(kn)水上13.019.019.8
水中8.58.28.0
航続距離(kn-海浬)水上10-6,00012-8,00016-5,000
水中4-853.5-905-45
安全深度(m)45.77580
備砲12cm単×17.6cm単高×1、
13mm単×1
7.6cm単高×1、
25mm連×1
発射管首4首4首4
その他兵装

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